近頃は、何かと~活という言い方が流行っていますね。
「腸活」もその一つなのですが、「菌活」という言葉もあるそうです。
「菌活」というのは、身体に有用な菌を積極的に取り入れていこうというものです。
人間の身体の表面には、多種多様な菌が無数に住んでいます。
その菌の住処は、「皮膚表面」と「消化器官内」です。
口、食道、胃、腸などの消化器官は、構造的には身体の外側ということになります。
腸から、栄養分や水分が血液内に取り込まれて初めて、身体の内側に入ったという事になります。
腸は、身体の外側から内側の玄関口なのでとても重要な箇所であり、悪いものを取り込まないよう免疫力の中枢が腸にあるというのはとても理にかなっています。その免疫力を支えているのが、多種多様な菌達です。
米国の微生物学の専門誌「msphere」に発表された論文によれば、3歳から100歳まで1000人の腸内環境を調べたところ、「非常に健康」と答えた人たちには共通点がありました。
腸内に多種多様な細菌がいたのです。健康は、菌の種類の多さが関係していたというわけです。
すなわち特定の善玉菌だけを取り入れていれば良いというようなものではなく、多様な菌がいることで、あらゆる状況に対処できるということのようです。これは人間社会にも通じるもののように感じます。
多種多様な菌を取り入れるためには、腸内に菌が定着する3歳までになるべくたくさんの菌に触れることが必要です。
乳児期には、スキンシップが大事です。赤ちゃんの時に母親だけでなく、親戚や知人など色々な方に抱っこしてもらうことで、多種多様な菌をもらう事が出来ます。
そして幼児期には土に触れることで土壌の中の菌と触れ合えます。昔ながらの子育て法が、実は自然と菌活になっているのですね。
反対に、除菌は菌活には逆効果です。
食生活に関しては、毎日色々な発酵食品を取り入れる事を目標にしてみましょう。
取り入れた菌はなかなか定着しにくく、3日位で排出されると言われていますので、毎日意識して摂ってみましょう。ヨーグルトなどの動物性乳酸菌より植物性の乳酸菌が良いです。
ぬか漬けには乳酸菌の他、多種多様な菌が含まれていると言われています。
お漬物は市販のものは添加物が多いので気を付けましょう。キャベツなどの野菜を塩もみして常温にしばらくおいておくと乳酸菌が自然に発酵してザワークラウトが簡単に出来るのでおすすめです。
味噌には、麹菌や酵母が含まれます。出来れば菌が加熱処理されていない生味噌を選びましょう。
甘酒は、飲む点滴と言われています。塩麹や醤油麹も調味料として常備しておくと良いです。米麹を入手しておくと、様々に応用できます。
キノコは菌そのものでもありますが、菌を育てる食物繊維も豊富に含まれています。
「菌活」は、「腸活」の一部です。
腸もみや適度な運動で腸を活性化しつつ、楽しみながら「菌活」しましょう!